マシュマロアントとは?
最近、俗にマシュマロパターンと呼ばれるフライパターンを雑誌などでよく目にするようになりました。島崎憲司郎さんが考案されたドライフライのパターンで、軽くて投げやすく、高浮力で扱いやすいと評判です。
マシュマロパターンにはいくつものバリエーションがありますが、そのうちの一つ、アント(蟻)を模したパターンがマシュマロアントです。ボディをマシュマロで作成したパラシュートパターンです。
今回、このマシュマロアントのタイイング手順を紹介したいと思います。
使用するマテリアル
マシュマロアントのタイイングに必要なマテリルは
・マシュマロファイバー(なければ、エアロドライウイングやFLOAT-VISなどでも可)
・コックネックハックル
・エアロドライウイング(パラシュートポスト用)
・モノフィラライン(6Xくらい)
です。
今回はアントパターンということでマシュマロファイバー、ハックルともにブラックで巻きますが、カラーを変えても問題ないでしょう!
タイイングの発想は自由ですし、カラーを変えることで魚の反応も違ってくるかもしれません。
マシュマロファイバーの下準備
マシュマロパターンをタイイングする場合、いくつかの下準備が必要です。
マシュマロファイバーの束を必要分だけ切り出します。
このままの状態だと、ファイバーが絡み合っていたり、くっついていたりするので、コームでとかします。先端側(指から遠い側)から少しずつやるとスムーズにできます。
コームですき終わったらこんな感じになります。空気を内包できるように、ファイバーの絡みがなくなればOKです。
次にモノフィララインをタールノットにして輪っかを作ります。その輪っかにファイバーを入れて2つ折りにします。
モノフィララインを引っ張って輪っかをすぼめてきつく縛ります。
今度は持ち替えて、結束部分から先端側にかけてコームでもう一度すいておきます。
下準備が終わったマシュマロファイバーです。カラーや長さ、束の数を変えたものを準備しておくと効率的にタイイングできます。テレビを見ながらでもできる作業なので、この下準備はまとめてやっておくと良いでしょう。
タイイングの手順です
では、順を追ってタイイング手順を紹介します。
使用したフックはバリバス 2200 #14 です。#14サイズのアリンコはそうそういないと思いますが、魚が「あっ!アリンコだ」と思って食べる訳ではないので、そこのところは気にしません!
フックをバイスにセットして、シャンクの半分くらいまで下巻きをします。その後、アイ側へ巻き戻したのち、ベンド側からアイ側にもう一往復します。
エアロドライウイングでパラシュートポストを立てます。
次に、下準備しておいたマシュマロファイバーをフックにあてがってボディの長さを決めます。アントパターンなので、シャンクから飛び出すくらいの長さにしようと思います。フォーセップやラジオペンチなどでファイバー先端側を挟むとよいでしょう。
ハサミで飛び出したファイバーをカットした後、フォーセップで挟んだ状態のまま切り口部分をライターの炎であぶって溶着します。これで、ファイバーがばらけることがなくなります。
次は、マシュマロファイバーをフックにセットする工程になります。
ファイバーの真ん中にピンセットを入れて広げ、パラシュートポスト側からかぶせます。ポストの根本の両側をマシュマロファイバーで挟み込むような感じです。
ポストの前後にスレッドをかけてマシュマロファイバーを固定します。アントの形態を意識して、ぷっくりとした頭と胴、すぼまったくびれが表現できていれば良いでしょう。けれど、胴のぷっくりした形状が表現できていれば、それでいいような気もしています。
ここまで来ればもう一息。コックネックハックルをポストに固定してから、ハックリングします。
ハックルをポストの一番下まで巻き下ろしたら固定します。ハックルの固定方法はいろいろあるかと思いますが、私の場合はポストの根本でウィップフィニッシュしています。
いよいよ最後の工程です。フックに下巻きしたスレッドの上面(ベンドと反対側)に少量塗って、ファイバーを固定します。また、モノフィララインを結び目ギリギリでカットして、そこにも接着剤を塗布して、結び目が解けないようにしておきます。
タイイング終了、完成です
以上の手順でタイイングが終了、完成です。
横から見たらこんな感じ↓
ななめ前からみたらこんな感じ↓
慣れてくれば#20くらいのミッジサイズもタイイングできます。
サイズやカラーのバリエーションを増やせば、アントに限らずいろいろなテレストリアルに対応できるパターンになると思います。
マシュマロボディを使った多くのパターンがあります。ああすればこうすればと、妄想はますます膨らんできます。
柔軟な発想でマシュマロパターンのタイイングを楽しみましょう!